4人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕を仲間に入れてください」
そこに現れたのはとても二十歳に見えない、まるで中学生の様な人だった。
「びっくりした~。完全に油断してた~」俊哉が腰を抜かしながら言った。
「今のはシャレにならんて」同じく弘樹も腰を抜かしていた。
しかし、大地は悠然と立っていた。
「おい…。俺達は見ての通り5人いる。やり合う気が無いなら…消えてくれ…」大地が物凄い顔で少年の様な瞳の彼に、ジリジリと近寄って行った。
「え…、あの…すいません。一人ぼっちで恐かったんです」
「ちょっと大地!酷いんじゃない」沙織が言った。
「だが…仲間にする訳にもいかないだろ…。それとも、誰かコイツの代わりに消えるか?」
「おい!大地!いい加減にしろ!お前らしくもない。冷静になれ」俺は落ち着かせようと大声で言った。
「君、名前は?」沙織が優しく言った。
「田中圭一です」
「田中君、私達はもうチーム登録していて無理なの、ゴメンなさい」沙織は年下の少年に話す様に話した。
「いいんです。すいません」
「そろそろ行かんと。こう言うたらあれやけど、チーム以外はみんな敵やし、それにやる気になってる奴も居るかもしれへんし」
弘樹は辺りを確認しながら言った。
「その通りだ」大地も賛成のようだ。
仕方なく俺達は歩き出した。
何か後ろから、つまり今いた所から冷たい空気が流れてきた様な気がしたので、俺は後ろを振り返った。
しかし、そこには木々の揺らめきしか見えなかった。
その頃、田中圭一はまださっきの場所にいた。
「結局僕みたいなやつと仲間になってくれる人なんていないんだ。………ミンナ………コロシテヤル!」
田中圭一は先ほどの様な純粋な少年の様な顔ではなく、殺人鬼の様な顔だった…。
最初のコメントを投稿しよう!