第1章

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もう、帰る場所もお金も無い… 借りていたアパートはきっちり片付けて来たし、荷物だって段ボールに詰めて、運ぶだけにしている 生命保険などの大切な書類も封筒にまとめておいた (遺書だって…) 穂香は無意識に伝線した箇所をさすりながら、ポロリと涙を溢した 心残りは両親だった… 愛し、育ててくれた両親が、どんなに悲しむだろう? ここに立っても、それを思うと胸を締め付けられる様な悲しみと寂しさを感じた (…あれを読んでくれたら…大丈夫) 穂香が両親に宛てた遺書は、30枚にも及ぶ 遺書と言うより、レポートに近い
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