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もう、帰る場所もお金も無い…
借りていたアパートはきっちり片付けて来たし、荷物だって段ボールに詰めて、運ぶだけにしている
生命保険などの大切な書類も封筒にまとめておいた
(遺書だって…)
穂香は無意識に伝線した箇所をさすりながら、ポロリと涙を溢した
心残りは両親だった…
愛し、育ててくれた両親が、どんなに悲しむだろう?
ここに立っても、それを思うと胸を締め付けられる様な悲しみと寂しさを感じた
(…あれを読んでくれたら…大丈夫)
穂香が両親に宛てた遺書は、30枚にも及ぶ
遺書と言うより、レポートに近い
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