呼声

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貴方の呼ぶ声が聞こえる。 痛々しく、 悲痛な叫び声が。 「――!!!」 意味もなく、ただ自分の手を見た。 赤い、赤と言うより紅色。 …ああ、痛い。 「………」 目に映るのは、見知らぬ救急隊員と空の紅色。 何があったの………?? 声に出してるのに、答えてくれない。 ねぇどうして?? 何があったの?? 「…い…たい…」 感覚はないけど、 視覚、聴覚で感じるものは痛い。 救急車の音。 私を呼ぶ声。 誰かが説明する声。 大丈夫だという声。 目の前が赤と青しかない。 色は赤が目立つ。。 ああ、もうダメなのかな… 麻痺した体は何も感じないけど、 意識が白くなっていった。 体が浮く感覚。 寝たまま動かされる感覚。 色んな人が私を見てる。 死ぬのか…。 このまま、私は。 皆を残して。 ありがとう、と言えないままで。 「―――で――だろ」 「落ち着いて――だから」 ………私の意識はそこで飛んだ。 深い深い白い世界へ。 目を覚ましたのは、それから10時間後だったらしい。 ――――――――――――――――――― これはリアルな話です。 自分の事故の話です。 記憶にある事全てを出しました……。 何と無く書きたくなったので。
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