かき太郎

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「………と言う訳でしてー」 老婆からの報告を受けたマサコは食べ終わったばかりのポテチの袋を引き裂いた。ものすごい握力である。 「あたしがケリをつけてやんよぉぉ!」 こうしてマサコのかき太郎家侵攻作戦が開始された。 ガラッと戸を開けて外へ一歩踏み出す。 初夏の陽射しを浴びたマサコはチッと舌打ちをしてまた一歩踏み出す。 かき太郎家との距離は約20メートル。何しろ体格が体格だ。マサコの顔に脂質たっぷりの汗が垂れる。 体からも汗が吹き出し、足跡と共に油もとい汗を道に残す。 もちろん油はポテチから摂取した物である。 目標まであと10メートル。近そうで遠い、切ない道のり。 一歩踏み出す、油垂れる。あるく、たれる。ぽたぽた。 やっとかき太郎家前に辿り着いた。
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