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魔法のスプーンを取り戻すために村の塀をつたい歩き、北側にある泉へと向かう。
いつも思う。
ゲームの村は木で塀が作られている。
魔物は侵略しないのか?
城下町などは、レンガや石で作られた高い塀だ。
どうだかすると、監視役が監視塔にいたり、見回る通路まであるのに。
色んなことを考えながら歩いた。
しかし、風情がある。
アスファルトや電線などはもちろんない。
木造の家、芝、舗装の代わりに置き石があり、花壇や植木もレンガ風。
井戸だって垣間見る。
「電気やガスの無い生活か……」
果たして生きて行けるのだろうか?
かなり心配になってきた。
気が付くと泉の辺に立っていた。
「綺麗な水だなぁ……」なんて感心していると、1匹のカエルと遭遇する。
探さなくても出てくんのか……。
見た目は普通のこのカエルがスプーンを盗んだ犯人だ。
ミントのスプーン探しを断っても行ける場所が限られており、この泉に辿り着くようになっている。
無視してみようかな?
イタズラ心に火が点いた。
「良い天気だなぁ。昼寝でもするかぁ」
カエルはゲコゲコと鳴いている。
俺は気にせず寝転んだ。
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