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「なっ、何見てやがんだゲロ!」
カエルは我慢できずに喋った。
しかも、俺の視界にすら入っていないのにあのセリフ。
俺は「あはははは!」と、思わず笑ってしまった。
先ほど学習したはずた。
無理には変えられないと。
それなら、素直に従ってみよう。
「カエル、スプーンを返せ。イタズラで命を賭けるのか? 大人しく返せば何もしないぞ?」
だがカエルは「いやだケロッ!」と言って、果敢にも俺に向かって飛び付いてきた。
「俺に勝てそうか?」
「ごめんなさいケロ」
「だろ?」
カエル嫌いなら効果は抜群だろうが、そうでない者はそこらの雨蛙が足にぶつかってこようと、痛くも痒くもない。
「ここにあるケロ」
そう言って右手を伸ばした。
光が集まる。
やがてスプーンの形となり、実体化した。
「偽物だな?」
「なぜわかるケロ?」
「本物も寄越せ」
「はいだケロ……」
「もう用済みなんだよな?」
「なぜ知ってるケロ!?」
カエルは少し頭を傾げて不思議そうにしていた。
この本物のスプーンは偽物を手に入れた後、このカエルに5回話し掛けると貰えるようになっている。
以外と知られてない情報だ。
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