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「お答え致しかねます」
「じゃぁ、俺は帰――」
「が、ご存知の通り魔法が存在致します」
「……死者復活の魔法『リバイバル』か……」
魔法を覚えれば死んでも復活できる可能性があるわけだ。
なるほど。
興味が湧いた。
「メリットは?」
「はい。この世界の通貨をあなた様の世界と同様に『円』とさせて戴いております。見事グレイズを討伐され、帰郷の暁には、全額お持ち帰り戴けます」
ファンタジア・ガーデンでは億を超える単位まである。
武器や防具などには、色々な効果がエンチャントでき、中にはモンスターを倒して得る金が何倍にもなるアイテムがある。
俺は右手で顎を触りながら考えた。
「他に質問はございませんか? よろしければ早速、扉を選んで――」
「いや、爺さんは質問に答えてない」
「と、申されますと?」
「さっきの質問。あれは爺さんにとってのメリットを聞いたんだ」
しばらくの間、セバスチャンは黙ったままだった。
だが、考えている様子も無い。
セバスチャンの表情は変わらなかった。
逆にそれが不自然だった。
「あなた様は他のプレイヤー様とは少し違うようですね。初めての質問でございました」
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