出会い

6/18
前へ
/58ページ
次へ
急いで追い掛け、カバンに手を伸ばし取っ手に、手を掴んだが、男は一行に掴んだ手を放そうとはしない。 (おい!はなせ!!俺のカバンだぞ!!) いっこうに手を話さない。 「なぁ、お前が俺の肩にキスマーク付けたのか?」 先に歩く男のペースに、一生懸命ついていきながら質問をした。 「あっ…」 普通の声で話したつもりなんだが、周りの人に聞こえていたのか、はたまた、一生懸命ついていっている亮と、先を歩いている男の事についてか、こちらをみなが笑っている人たちがいた。 恥ずかしくて、何も言えなくなってしまうとその様子を見ていた男が 「ぷっ…ふ」 と、笑いだした。 「うるさい!笑うな!質問に答えろよ」 恥ずかしくて、顔を真っ赤にして小さい声で訴えた。 「さぁな、ほらついたよ、13階が私の家だ、そうだ今まで私の名前を教えて無かったですね、名前は流部紫乃歩ですよ。」 と言って、手を出された。 「あぁ…よろしく。知ってると思うけど、俺の名前は佐野亮だよ。」 と、何が何だかさっぱり分からなかったが渋々手をだした。 流部の家は高層マンションに住んでいた。 しかも最上階に近いともなると、結構な金持ちが住むところである。 流部の部屋に入るとそこは男にしては、整頓されて綺麗な部屋であった。 「亮…そこのソファーに座って待っててください。今コーヒー入れてきます。」 と言ってキッチンへ行った。 「お前の部屋、綺麗だな…」 と言って、部屋にあるソファーへ座り、流部に声をかえた。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

726人が本棚に入れています
本棚に追加