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「なんかゴメンね」
「いや、悪いのは俺の方だろ」
「ぅん……?」
「着いたぞ」
夾君が言って、前を見ると、もう家の前。
「もう大丈夫」
「大丈夫か?」
「うん」
私がそう言うと、その場に下ろしてくれた。
「今日はありがとう」
「こっちこそ。なんかゴメンな」
「ううん」
「じゃ、おやすみ」
「うん。おやすみ」
挨拶を交わすと、夾君は走って云ってしまった。
………
あれ?
手首を見ると、2年以上なかった、銀色の輝きがあった。
夾君……?
しかいないか。
その懐かしい輝きに、ほのかな嬉しさを感じながら、私は家に入った。
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