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それにしても……
20歳の男女―――ハネはまだ19だけど―――だぞ?
それが一緒に寝る……
やめよう。
「ふうたん料理うまいね」
「まぁな」
「そこは普通謙遜するところでしょぉ~」
「ハッハッハ!!」
こいつといるのは割と楽しい。
素の自分をさらけ出せるし、何より、あいつのことを忘れられる。
あいつのことは、嫌いになったわけじゃない。
ただ、まだ好きだからこそ辛くなる。
だから忘れたいのだ。
あの日のあいつの手紙。
あれは未だに取ってある。
「んむ?」
ハネが何かに気付いた。
「あの写真。彼女?」
「元な」
「ふーん……忘れられないんだ?」
「まぁ……そういうことだな」
七夕の時の、あの写真だ。
フレームに入れて飾ってる。
「名前。なんての?」
「唯だよ。神崎唯」
「唯ちゃんか………」
と言って、また食い始める。
ペースが少し落ちた気がするが……
………まさかな。
唯……
ホント、どうしてんだろ………
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