代償と解放

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テレビで報道されてからトビラは更に逃げにくくなった。 走っていても顔がテレビで流れた為に皆がこちらを見てくる。 捕まえようと襲ってくるヒトも出てきた。 隠れても町のヒトに発見される。 もう、トビラ対警察官ではなく、トビラ対町の住民10万人となっていた。 賞金がかかっているというデマもながれ、人々はトビラを積極的に捕まえようとした。 時間は夕方に近付き、それでも捕まらず、ヘリコプター2台、警察官の数は500人にもなっていた。 さすがのトビラも疲れが出始めていた。 今は5階建のマンションの屋上で一休みしていた。 「この辺に逃げてるらしぞ」 「お前あっちを探せ、俺はこっちを探す」 そんな声が下の方から聞こえてくる。 端のフェンスにより、唯一の出入口のドアの方を睨み付ける。
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