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トビラが気が付くと白い天井が見えた。
ここは?
起き上がろうとして全身に痛みが走る。
「ん、起きたか…丸一日寝ていて、その怪我だ、無理に起きない方がいい」
声のする横を見るとボサボサ髪に無精髭の中年男性が椅子に座っていた。
「5階から子供を抱き抱えて落ちて右手首、右肩の脱臼、左足の骨折、それと頭部のかすり傷だけですんじゃうんだから君はすごいよ」
「ここは?」
「ん、警察病院だ」
警察…とうとう捕まってしまったんだ。
…ああ…三角木馬で…拷問…
「そ、そうだ。あ、あの子は?」
「ん、一緒に落ちた子供かい、君が守ったおかげで軽傷ですんで、その日に退院したよ」
良かった。そう心から思った。
「ところで君はトビラ君でいいのかな?」
トビラは名乗った覚えはない
「どうして、俺の名を?」
「ん、1ヶ月前に夜道を歩いていた君を保護しようとした警察官を覚えてるかい?」
最初に警察署(交番)に連れて行こうとした自転車の警察官の事だ
「彼が君のことを覚えていてね。君が彼に言ったことを色々ときいたよ。できれば君の口からもう一度聞かせてくれないか?」
「…………」
黙るトビラ
「大人は信用できないかい?」
「……大人は言ったって信んじてくれない…信用できない」
「ん、まぁ、あんな目にあえば当然かもしれないな」
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