代償と解放

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「ん、希望ヶ丘孤児院は3年前に取り壊されてる」 中年と20代の男は、トビラの病室に入ってくるなり告げた。 この病院に入院して2ヶ月がたった。 「そうなんだ」 トビラは包帯も取れ、怪我は完治していた。 怪我は1ヶ月前に治っていたがトビラをどうするかで揉めていて、いまだに病院にいた。 「明後日には退院なんだ、しけた顔してんじゃない」 「そうか…俺、明後日…退院…って!そんなの聞いてない」 「ん、言って無いからな」 「俺をどうするか決まったの?」 「ん、ああ、昨日決まった。」 「で、どこに行くの…」 ゴクリとつばを飲み込む。 やっぱり少年院と言うところだろうか?今さら拷問とか言わないだろうな。 中年はジィーとトビラを見つめ、ばんばんと肩を叩き、 「今日からお前は夏目トビラだ!」 「?」 トビラは首をかしげる。 「なんだぁ、不服か、もう手続きすましたから変更は無理だぞ」 「?」 中年が何を言っているのか分からない。
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