─7章 状況付与!─

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私とメイドのお二人はお屋敷へと早足で戻る最中、私はメリッサさんより事の詳細をお聞きした。 お嬢様がいつもよりご機嫌が悪い訳ではない事や、何か特別な要望があった訳でもない・・・ なぜお嬢様は突然お姿を見せなくなったのか不明である事に、メイドのお二人もただ首を傾げるばかり・・・ 「まさか、また誘拐では・・・」 一抹の不安を覚える私・・・ だが── 「それはないと思うわ。だってまだ犯人からの要求がありませんもの・・・」 メリッサさんは軽く首を横に振りながら語る。 が── 「これはまさか、心理戦・・・」 私はふと閃いた。 「え・・・」 不安な視線を私に向けるメイドのお二人・・・ 「ですから、誘拐しても2日3日はそのままにして焦らせるのです。そして頃合いを見計らった所で声明を出す・・・」 私は思いつく所を説明。 すると── 「いやぁーお嬢様っ!」 突然フリージアさんは両手を頭にしゃがみ込んだ! 「なっ!?」 驚く私! 「大丈夫よフリージアさん!大丈夫だから!ね、落ち着いて」 すぐさまフリージアさんを抱きしめ、優しく頭を撫でて慰めるメリッサさんは── 「ちょっとノーボルさん!滅多な事言わないで!」 目つきをキッと私を睨んだ! 「申し訳ありません!これはあくまで可能性であります!」 慌てて私は弁明するも── 「うっ・・・グスン・・・」 フリージアさんは涙を流しては不安を露わにしておられた。 それからしばらく── 私とメイドのお二人はお屋敷へ着いた。 玄関ロビーにて── 「それではメリッサさん。私はローレン様の所へ報告に上がります」 「ええ。とりあえず私とフリージアさんはしばらく休憩室にいるわ。もし手が空くようなら、休憩室まで来て下さるかしら。今後の事を話し合いましょう」 「わかりまた。では・・・」 脱帽して頷く私は一礼しつつも、チラリとフリージアさんを一目確認。 うつむくフリージアさんは、私の心無い一言にショックを受けたご様子・・・ そんなフリージアさんに申し訳ないと思いつつ、私はローレン様の元へご報告に上がる。 普段ならば一旦居室へ戻り、装具類を置いてくるのですが、今は非常時故、私はこのままの格好で執事長室へ向かった。 「入ります!」 軽くノックを一回、私は執事長室へ入ると── 「ノーボル!戻って来てくれたのですね!」 ローレン様はお仕事中にも関わらず、私を見るやいなや急に立ち上がった!
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