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「良かったです。ノーボルさんに気に入ってもらえて・・・」
「ど、とちらかと言えば、今のフリージアさんの方が、その~私の好みであります・・・」
恥ずかしさを堪え、思い切って胸の内を伝えた私!
「えっ・・・」
頬を赤く染め、更にモジモジと恥ずかしげなフリージアさんは目線が泳ぐ。
そこへ──
「ちょっとお二人さ~ん。会って早々見せつけないで下さるかしら~」
先程から私とフリージアさんを傍観しておられたメリッサさんは、ジト~っと目を細めては不機嫌に声を出す。
「こ、これはメリッサさん。申し訳ありません!」
「ご、ごめんなさい☆」
慌てて姿勢を正す私とフリージアさん!
私とフリージアさんの行動を前に──
「まぁ、いいわ♪ふふふ」
両手を腰に呆れた様に微笑むメリッサさんですが、若干羨ましそうにも見えます。
が──
「フリージアさん。ご報告しないといけない事があるのではなくて・・・」
スッと表情を戻すメリッサさんは真剣な顔つきとなった。
「はい・・・」
小さく、コクリと頷くフリージアさん・・・
この状況に私は、何か特別な委細があるものと直感した。
「あの、今回は一体何が・・・」
恐る恐るお聞きする私・・・
フリージアさんはゴクリと唾を飲み込むと──
「あの、お嬢様が、お嬢様が帰って来られません・・・」
不安げな表情を浮かべるフリージアさんは詳細を語る。
「なっ!?帰って来られないとはどう言う事ですか?何時間?何日?」
大事を察した私は強くフリージアさんを追求!
「えぇ・・・」
目をキョロキョロとたじろぐフリージアさんを横に──
「まだ1日よ・・・」
メリッサさんは静かに答えた。
「1日・・・メリッサさん、今はどのように対応されておられますか?」
「取りあえず、治安維持局には連絡したわ。今はまだ様子見の段階で、私達で思い当たる所を探しているの」
「了解です。では私も合流し、お嬢様の捜索に加わります!」
「ありがとう。そうしてもらえると助かるわ・・・」
安心されたのか、お口元が少し緩んだメリッサさん・・・
「その前に私は一旦お屋敷へ帰還し、ローレン様へ諸々のご報告に上がりたいのですが・・・」
「そうね、あんまりゆっくり出来ないけど、一旦お屋敷へ戻りましょう。いいですねフリージアさん」
キビキビと指示を出すメリッサさんですが──
「はい☆」
ニッコリとようやく笑顔を取り戻したフリージアさんでした!
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