├5.夕暮れとブランコ

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├5.夕暮れとブランコ

娘は滑り台に夢中で、天辺に登る度に笑顔で私を呼んだ。 私はベンチに座りながら笑顔で娘の声に答えた。 あ…西日が眩しい。 時計を見て、陽が短くなった事を実感する。 私達を染めるオレンジの光。 日に透けて輝く銀杏に楓達。 娘は私の手を引っ張りブランコに誘導する。 私をブランコの前に立たせて、素早く座った。 押しての合図。 私は娘を押してあげる。 最近は優しく、そして高く揺れるように。 娘が嬉しそうに声をあげた。
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