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「梨花、今日も待ってたのよ。昨日もその前も…。私だってそう。あなた、最近梨花に会う事すらないじゃない…」
我慢していた事が弾けるように出てきて私自身驚く。
だけど止める事はできなかった。
私の口調は話す度、険を増し、私自身も傷付けた。
「仕方ないだろう…そのお陰でお前らだって生活出来るんだから」
そうなんだ…私だって子供ではない。
それくらいわかっている。
だけど…心は納得できなかった。
夫は二本目の煙草に火をつけて、深くため息をついた。
その態度が余計に私を傷付けていた。
「なぁ俺、忙しいから切るぞ。」
「わかった…私達…もう出ていくから…」
そう言って私は電話を切った。
理解してもらえない寂しさから涙が出た。
その後電話は鳴る事もなく、私は泣きながら眠れずに夜を明かした。
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