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├3.落葉の小路
「ねぇ、ママ!見てぇ」
娘は私の2~3歩前を嬉しそうに歩く。
今は落ち葉を拾っては投げ、銀杏の雨を降らせていた。
ひらひらと舞う黄金色。
私はその様子を見ているだけで昨日傷付いた心が癒されていく気がした。
私達は電車に乗って隣町で降りた。
そこは簡素な住宅街だか少し歩いたところに大きな公園があった。
公園の真ん中にあるこの銀杏並木は一面黄色に覆われている。
銀杏の葉を掴んではしゃぐ娘が動く度にカサカサと軽い音がなった。
「さて…これからどうしようかな…」
家を出たものの行く先は決まってはいなかった。何故ここに来てしまったのだろう…。
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