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噂の新人君がグラスを二つ持って向かってくる
ようやく顔が見てきたが店内は薄暗く
ハッキリとは見えてこない
莉子達の席の前にきて
「おまっ た 」
不思議に思い少し見上げると酔っ払った視点が定まらないお客の一人が勢いよく彼にぶつかる
その瞬間、持っていたグラスの中身が莉子に向かって勢いよく落ちてくる
「キャッ!」
「す、すみ、ま」
しどろもどろになりながら彼は謝ろうとしている
酔っ払いは酔いがさめることなくケタケタと笑い自分の席であろう場所に戻っていく
莉子は立ち上がりマーメイド型のスカートをおしぼりでふいている
彼は急いでカウンターに戻りおしぼりを抱えて走って来た
「本当にすみませんでした」
「大丈夫よ!あなたが悪いわけじゃないし!
そのうちかわくし!!」
莉子は笑顔で彼に答える
初めて彼と目が合う
ミルクティー色した少し長めの髪は今時を表し
腰に巻いてある長エプロンは高い身長を際だたせていた
子犬のような瞳は思わず見とれてしまうほど素敵だ
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