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「ありがとう~
今日は新作のショーも楽しみだったんだけど~
新しく入った新人君をいちごに見せたくて!
あっ私、いつものね!
いちごは?」
有紀は店長の腕に軽く触りながら話す
「私もいつもの!」
二人は店長にそう言うと空けておいてもらった席へと進んだ
「いつきても混んでるね~」
莉子は店をグルリと見渡し言った
「ね~!
金曜だしね!
あっ今日は何時まで大丈夫?明日も仕事?」
「何時でも!明日、休みとったから
ところで話しって何?」
今日は有紀に話したいことがあると言われて莉子は呼び出されていた
有紀とは高校卒業してすぐに就職した職場の同期だ
部署は違ったがお互い気が合い
本社での研修期間にすぐ仲良くなり
莉子が転職した今も関係が続いていた
「大事な話し?いくら行きつけでもここで話して大丈夫?
騒がしすぎない?」
有紀はクスッと笑い
「大事ちゃ大事だけど…」有紀はもったいつけながら続けた
「実は…
私…
プロポーズされちゃった」今にもとろけそうな笑顔で言っている
「…えぇーーーー!!
誰に!?山田君から!?
いつ!?なんて!?」
「落ち着いて~
当たり前じゃない!
他に誰がいるのよ?
つい先日ね!急に指輪、渡されてね」興奮気味の莉子をよそに有紀は一つ一つ嬉しそうに答える
「へぇ~感動的~
あの山田君が~」
山田は職場の二つ下の後輩で莉子と同じ部署だった
莉子が紹介したのをきっかけに二人は仲良くなりいつの間にか付き合って今にいたる
「ま~もう付き合って三年だからね~
もうそろそろかな~なんて思ってたんだけど
25で年齢的にもちょうどいいかななんて」
少し照れながら話す有紀は本当に幸せそうだ
「この幸せもの!」
莉子は少し茶化しながらからかう
「何言ってんの!?
本当はいちごの方が最初にプロポーズされてたじゃない!
それを今は仕事に集中したいから待ってくれって言ったのはどこのどいつよ!」
「エヘ、私だ~」
莉子は舌を出し少しおどけて見せた
「でも達也君もやさしいよね~
一年も待つなんて言ってくれてさ~
次にプロポーズしてくれる日まであとどんぐらい?」
「ん~半年かな?
でも今度はきちんと承けるつもりよ」
話しを遮り店長が二つのグラスをもって
「おまたせ~」
とグラスをテーブルに置いた
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