【第101話】失意の檻

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「今回の一連の事件の主犯はコビィーナではなかった……すなわち、処刑は取りやめになったということだ。 コビィーナはどこにいる?」 マスキュリンを庇い、前に立つアランがヴァーミリオンに詰め寄る。 「……さあ?」 ヴァーミリオンは白々しく肩をすくめてみせる……それを聞き、建物内に意識を向けたマスキュリンはコビのオーラであろうものがこの場所に存在していないことに気付いた。 「エンハンスト監獄…、現指揮官はお前だろうヴァーミリオン…そのお前が――」 「……もういい」 マスキュリンはアランがヴァーミリオンを咎めることを制し、会話に割入った。 「回りくどいことはなしだ、単刀直入に聞こう。   名無し…いや、『ゼロ』はどこにいる?」 マスキュリンの『ゼロ』という言葉にヴァーミリオンの眉がぴくりと動いた。 おそらく身柄を拘束されたゼロはすぐに諜報省へと連れていかれることになる……。 今の状態のままのゼロが諜報省へ連れて行かれれば、何の抵抗もないままに連中の『計画』が急ピッチで進むことになる。 マスキュリンとしてはそれだけは何としても避けたかった。 しかし、ヴァーミリオンとしては身柄を送るまではこの場所に留めておく必要がある。
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