【第101話】失意の檻

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マスキュリンの手の中の『それ』を見たヴァーミリオンの顔付きが変わる。  それは、親書。 王の証明である象徴獣『獅子』のエムブレムの箔押しが施された最上級の羊皮紙。 そこに書かれし勅命、その内容とは……。 「わが国・セルヴォルト国王より言付けだ……謹んで受け取れ、下賎者」 マスキュリンは紐解いたその親書を読み上げるでなく、ヴァーミリオン目掛けて投げ付けた。 ヴァーミリオンはそれを手でパシッと受け取ると、広げて目通しを始めた。 親書に目を通すヴァーミリオンの表情はだんだん険しくなり、親書を掴む手はわなわなと震え始める。 「……なんだと…!」
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