序章

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校則が自由だと言っても みんな靴は スニーカーかローファーだし、 シャツの上には セーターやカーディガンだし ソックスだってみんな決まって 縦にラインの入った スクールソックスを穿いている。 あたしも含めて まるで何かに拘束されているかのように 自由なんて言葉似合わないくらい みんな似た人間ばかりだった。 「おなかすいたー!ファミレス寄らない?」 「行く行く」 楽しい。 二人の話に心から笑っている。 一緒にいると凄く楽しい。 確かにそう感じている。 だけど、あたしの体内に蓄積された退屈は たまに二人の目を盗んで こっそりと気疲れのかまりの如く 口から吐き出されていた。
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