螺旋の舞台

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煤けた畳 山積みにされた 雑多な書籍 電車が通過する度に 降り注ぐ埃 わずかな風にも軋む 木の窓枠 六畳一間に小さな台所 外は夕焼け 紅煉に包まれた部屋の中 そこには 真っ白な布団に 寝かせられた少女と その側に座り込んで 微動だにしない男 黒々とした二人の影を 少しずつ薄めながら 夜の闇が降りてくる
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