希望を求めて

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 岩の向こうにいる隊長に事情を話して部屋から出た時には部屋の中は静かになったようだった。 「中に二人が?」  隊長がそう聞くのを頷いて答える。 「そうか。ソル副隊長レンと皆を連れてこの洞窟から出ろ。作戦は失敗だ」 「しかし、隊長は?」 「俺は残る。魔王の力に対抗出来るのは俺だろうからな。早くいけ。巻き込まれるぞ」 「はっ!!隊長」 「なんだ?」 「どうかご無事で」 「当然だ。俺はそんなヘマはしない。さっ早く行くんだ」  隊長は部屋の中に入っていく。  それが私の知ってる洞窟での出来事だった。その後マキュアには寄らず直接そこから王国に向かったのは隊長の指示だったらしい。ただ、帰って来た隊長は何も語らず聞いても答えてはくれなかった。  
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