第4章 涙

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愛しい人、愛しい人。 ゴメン。 俺は、皆が俺の為に色々してくれるのが、悲しい。 裕二…… 華菜…… 美穂子…… 愛しい人達…… それだけが、頭の中をグルグル、グルグル…… あとは、闇……… ~~~~~~~~~~~~ ノイズから、ちゃんと記憶が出来た。 彩られた記憶が……。 悲しい記憶……。 俺は、ゆっくり目を開く。 そして、沢山の色のある世界………。 夢? 色鉛筆で壁や地面がぬられていて、可愛い様な世界。 全部、そんな感じ。 「ココ……どこ?」 歩かなきゃ。 人、探さなきゃ。 俺は歩き始める。 あ、太陽が渦巻き見たい。 もうちょっと、空とか綺麗にぬれよ… 葉っぱも、ぐしゃぐしゃにぬられてるみたい。 不思議な世界…… そういえば、『不思議の国のアリス』で、薔薇の華をペンキで塗るトランプ兵がいたなぁ。 何故か、そんなショボいことが頭に浮かんでは、消える。 「変わってるなぁ……」 ポツリと言った。
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