第5章 華の季節

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春……… 俺の季節。 恋とか愛とかの、ピンクの季節。 桜が綺麗な季節……。 俺は高2になった。 高1の入学式、全員参加。 現在、登校。 裕二と俺は、正門の前で美穂子達2人を待つ。 ~~~~~~~~~~~~ あの日、虹が架った日。 俺は、皆に謝った。 皆、許してくれた。 皆……本当に許してくれるのか、疑ったけどな。 何故か、あの日を境に、物事を前向きにとらえる覚悟ができた気がする。 泣きすぎで、頭が痛かったけど。 ~~~~~~~~~~~~ 「………来た」 裕二が呟く。 俺は頷く。 サァ…… 風が吹く。 桜の花びらが舞う。 桜並木の道に、美穂子と華菜が見える。 俺が夢に見た光景。 ピカピカの1年生じゃないけど、嬉しかった。 映画のワンシーンみたいに、記憶に鮮明に残った。 「裕二くーん、幸くーん!」 相変わらずのハイテンション女・華菜が手を振る。 俺達も、手を振る。 そして、お喋りしながら、ホールに向かう。 俺は一回振り返る。 サァッ…… また風が吹く。 フッ…と、笑ってから、また前を見る。 そして、自転車を押しながら歩いて行く。
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