1992年初冬

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治療の際、家内に投与する薬が胎児にどんな影響を与えるか、全く解らない。何より出産という大仕事を成し遂げる体調を維持できる保証もない。 治療を開始するか、ようやく授かった第二子の出産を優先するか、私にはとても決められない。 しかし、家内の決断は早く、私にこう告げた。 「私は、こんな病気なんかに負けるわけにはいかない。早く元気になって、貴方と娘を守らなきゃ。」 私達は治療の開始と、堕胎を決断した。
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