1992年初冬

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堕胎を決断した日、家内は娘に告げた。 「赤ちゃん、バイバイしないといけないんだ。ゴメンね」と。 三才の娘の返事を、私は今も忘れられない。 「お母さんは悪くない!」 強い、本当に力強い一言だった。 1992年初冬、家内のお腹にいた「幸」と名付けた私達の第二子は、短い、本当に短い生涯を終えた。
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