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「さて、とりあえず民家を探すか、この世界を知らない事には打開策も何もないからな」
「だね~」
弥生さんは焦る事なく動く。
勇介も焦りなどはなかった。
例え精霊界に帰れなくても一人ではないからた。
そして一週間後には、きっと明日香さん達も来る、そう思っていたからだ。
「弥生~さん」
ギュ
勇介は弥生さんの脇に抱きつき歩き始めた。
弥生さんは明らかに歩き難くなったが勇介を邪魔にはしなかった。
その状態で10分程森を歩いただろうか…不意に勇介がよろめく。
「?どうした勇介?」
「ハハ…ちょっと足がもつれちゃってさ…」
弥生さんが勇介の顔を見るとその顔は少し赤みをおびていた。
「ちょっと止まるぞ勇介」
弥生さんは足を止め―
コツン…
自分のおでこと勇介のおでこをくっつける。
「や、弥生さん?」
弥生さんは勇介の肩を掴んだままジッと動かない。
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