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数日後、呂布は会議室に諸将を集めていた。その中にはまだ痛みが引いていないのか、苦痛で顔を歪めている侯成の姿があった。
「皆も分かっているだろうが、曹操が十万の軍を率いて下ヒに向かっている。陳宮と話し合った結果、篭城が得策だと考えた。お前達はその準備を致せ。」
呂布が話し終えると諸将は深々と頭を下げ、それぞれ準備に取りかかった。
今、下ヒ城には六万近くの兵がいるが、十万の曹操軍を城外で迎え撃てる程の余裕はない。
それよりも、名城と知られる下ヒで曹操軍を迎え撃つ方が良いため、誰一人として異議を唱える者はいなかった。
それからしばらくして、城内には陳宮と共に準備をしている恭平の姿があった。
「陳宮殿、陛下は篭城と言われていましたが、どのくらい篭城することになるのでしょうか?」
「そうだな…。兵力や攻めて来る時期を考ると、曹操には三、四ヶ月分の兵糧はあるだろう。」
「…では、それまで持ちこたえなければなりませんね…。」
そう言った恭平はどこか、うつろげな表情をしていた。
「張恭殿、この城は堅城として名高い。いかに曹操といえども、そう簡単には落ちぬよ。」
その後、陳宮の言葉の通り、呂布軍は三ヶ月近くに渡って曹操軍の猛攻を防いだ。
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