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恭平の予想に反して、呂布は上機嫌だった。
「お前の歳はいくつだ?」
「17…です。」
「呂布様、それより曹操軍との戦はどうなりましたか?」
ふいに陳宮が聞く。どうやら何かしらの戦があったらしい。
「そのことなら心配ない。散々に打ち破り、劉備も追い出した。」
「そうでございますか。それは喜ばしいことでございます。…それより、何故この者の歳を?」
「これから曹操との戦も激しくなっていくだろう。袁術(エンジュツ)殿の助けだけでなく、少しでも人材を増やしておかねばと思ってな…。」
そして、呂布は恭平の方に向き直った。
「張恭と言ったな…。お前は見た所、武より智に優れているように見えるが…」
恭平もその通りだと思った。運動は出来る方だが、実際の戦場で戦うとなると話は別だ。
だが、頭には少し自信がある。それは三国志を読んでいるせいでもあった。
「はい!智には少し自信があります!」
「そうか、ならばこれからお前を我が軍に迎えよう。」
「は、はい!呂布様のお役に立てるよう頑張ります!!」
(…死ぬかと思った…。)
だがこの時、三国志の世界が少しずつ変わっていることに、恭平は気付いていなかった―――
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