異変

4/6
前へ
/157ページ
次へ
恭平の予想に反して、呂布は上機嫌だった。 「お前の歳はいくつだ?」 「17…です。」 「呂布様、それより曹操軍との戦はどうなりましたか?」 ふいに陳宮が聞く。どうやら何かしらの戦があったらしい。 「そのことなら心配ない。散々に打ち破り、劉備も追い出した。」 「そうでございますか。それは喜ばしいことでございます。…それより、何故この者の歳を?」 「これから曹操との戦も激しくなっていくだろう。袁術(エンジュツ)殿の助けだけでなく、少しでも人材を増やしておかねばと思ってな…。」 そして、呂布は恭平の方に向き直った。 「張恭と言ったな…。お前は見た所、武より智に優れているように見えるが…」 恭平もその通りだと思った。運動は出来る方だが、実際の戦場で戦うとなると話は別だ。 だが、頭には少し自信がある。それは三国志を読んでいるせいでもあった。 「はい!智には少し自信があります!」 「そうか、ならばこれからお前を我が軍に迎えよう。」 「は、はい!呂布様のお役に立てるよう頑張ります!!」 (…死ぬかと思った…。) だがこの時、三国志の世界が少しずつ変わっていることに、恭平は気付いていなかった―――
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2820人が本棚に入れています
本棚に追加