序章ー真白い季節にー

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「レナ……、気持ちはありがたいんだけどね、いつでもいいのよ」  レナの申し出を、穏やかな笑みで断ると気持ちを切り替えるように、てきぱきと服を洗うのを再開した。  そんな母親に、レナはこれ以上は無理だなと諦めようとした。 「あ、そうだわ!レナ、少しいいかしら?」  そう呼び止められて、気分ではなかったものの、ここで言うことを聞かなければ後で面倒なことになるのを経験上理解していたので、仕方なく母親の居る場所へと引き返していった。 「何?、お母さん」  ひょっこりと顔だけを覗かせ、服を洗っているであろう母親を探した。
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