序章ー真白い季節にー

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 その、少し離れた場所からレナのことを見ている誰かが居ることなど、本人は気付く筈もなく、塀などに積もった雪などを手に取りながら、小さなまるをいくつも作り、その雪で雪だるまを作ったり、誰も居ない場所に向かって投げたりしながら、いつものように古びた教会へ足を運んだ。  教会へ着くと、改めてその外観を眺めた。  古びてはいるが、その造りは立派なもので、ほぼ原形を留めていた。  ステンドグラスなど、所々割れてはいるが、それに描かれている絵などはとても見事なもので、つい見とれてしまう程だった。
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