序章ー真白い季節にー

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 いつからここにあり、誰がいつ建てたのか、詳しいことは誰も知らず、レナ以外の村人たちは、気味が悪いなどと理由をつけ、近づこうともしなかった。  そして、誰も入らないようにと、いつの間にか‘立入禁止’と書かれた紙が教会の扉に貼られていた。  レナはその紙を一瞥すると、不満に思いつつも無視をし、扉の把手に手を掛けそのまま力任せに押し開いた。  ギィィ…、と軋んだ音を立てながらあっさりと扉は開かれ、内部の様子が伺える。  レナは慣れたように建物内へ入ると、お気に入りの場所へと向かった。
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