序章ー真白い季節にー

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 暫く進むと、一番奥だと思われる場所から光が漏れているのが分かった。  レナは逸る心を抑え、その光を目指して進み続けた。  どんどん進むにつれ、最初は小さかった光が徐々に大きくなって行き、レナの歩調もそれに合わせて速くなっていった。  最後の一段を降りると、レナはその光の中へ飛び込んだ。  瞬間、ボフリと“何か”にレナは顔面から突っ込んだ。  暫しの沈黙が流れたが、その“何か”を確かめるため、レナは痛む顔を擦りながら潤んだ瞳で、ぶつかったものを見た。
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