序章ー真白い季節にー

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「僕は昨日、この村に越してきたばかりだから」  そう柔らかく微笑まれ、子供は親切に教えてくれた。 「あ、ねぇ……どうして私のこと知ってるの?」  レナは、自分が疑問に思ったことを素直に口にしただけだったのだが、その子供は目を瞬かせ、次には吹き出してしまった。  そんな子供の様子に、レナはさすがに頭にきたのか少し注意してやろうと口にしようとした。  しかし、子供のほうに先に答えられてしまい、レナは黙るしかなかった。 「皆から聞いたんだよ。図々しかったよね……ごめん……」
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