序章ー真白い季節にー

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 季節は冬で、レナはいつもより多く積もった雪を見て喜びの声を発した。 「レナ……、今日はいつもより雪が多いから、出かけるのはよしなさいね」  少女の様子に呆れ返りながら、テーブルの上に朝食を並べていった。 「もー……、お母さんは心配しすぎ。私なら平気よ?」 「でもね、レナ……今日だけはやめなさい」  いつになく真剣に話す母親に、レナは渋々ながら頷いた。  そんなレナの様子を見ると安心したのか、いつもの優しい笑みを浮かべ、レナと他愛ない会話をしながら朝食を食べ始めた。
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