遺書

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高校に来たらもう大丈夫だと確信していた。 進学校の肩書きを持つこの高校なら、イジメという非生産的な行為に時間を割く暇な輩なんていないだろう…。 そう思っていた。 あぁ、なんて―― 浅はかで愚かな自分。 この日本という国からイジメを取り除くなんて不可能。 だって、イジメは一種の球技だろ? そして僕は、 僕は蹴られて、投げられて、叩きつけられる ボール。 選手達はボールを必死に追いかける。 やがて、ただの他人だった選手達は心が一体化して『仲間』になる。 『ボールを追う』という共通概念が存在してるから。 つまり『仲間』になるためには、『僕=ボール』っていう標的が必要になってくる。
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