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同時刻、男がいる家から数キロ離れた森の中。朝日が登り、辺りは太陽の光を浴びていた。その一角に小さな焚き火の跡があった。その目の前には木の根に身を預け顔を俯かせていた女性が座っていた。
「…」
顔を隠すように垂れていた銀色の長髪が一瞬揺れ、間から眠りから覚めた表情を浮かべた顔が見えた。顔を上げた女は朝日を見て目を細めた。
「もう…朝か…」
静かに呟いた女はゆっくりと立ち上がり、服についた土等を払った。
「…さて…行くか…」
そう呟いた女は焚き火の後始末をして、荷物を持って歩き始めた。その女の両腰には鈍く光る灰色の銃が動きと共に揺れていた。
この二人の出会いが、後に壮大な物語の幕開けになることとは、この時誰も知らなかった…。
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