第二章‡第一節†孤独の龍†

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水の滴る音が聴こえる闇の中で十六夜は眼を醒ました。 「う~ん…… ここは何処?」 十六夜は上半身を起こし辺りを見渡すと、そこは廃屋の感じさせるような場所だった。 辺りを見ながら起き上がろうとすると、 「あ、目が覚めたみたいだね」 そう言いながら空色の短い髪の少年が入ってきた。 「貴方が私をここに?」 「いや、それは……」 少年が言い掛けたとき、 「プロキオン、あの娘が起きたのか?」 プロキオンと呼ばれた少年は新たに入ってきた茶色の髪の青年の方を向き笑顔で、 「うん、さっき目を覚ましたみたいだよ」 「そうか、そうか あ、あんたの名前は?」 「あ、……私は」 新たに入ってきた青年に名を聞かれ十六夜はしばらく考え、 「私の名は、シリウスと申します」 「へぇ~ なんか、男の子みたいな名前だね」 「うん、良く言われる ご先祖様の名前を付けてそうなったらしいのだけど……」 「ま、なんにしても俺たちも自己紹介しないとね」 「僕は、プロキオン よろしくね」 空色の髪の少年は笑顔でそう名乗り、 「俺は、アルデバラン よろしくな そういえば、もう一人いんだけど…… 何処に行ったんだ? ベテルギウスの奴」 茶色の髪の青年は片目をウィンクさせながら名乗ると入り口付近から顔を出すように辺りを見渡した。
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