第三章‡第一節†流れへと導く龍†

7/22
前へ
/203ページ
次へ
買い物を済ませ家に戻ろうと向かっていると、前からガラの悪い男が2~3人近づいてきた。 「うわ~ やな奴らに出くわしたね」 「だな、めんどくさ」 「無視だ、無視」 二人は小声でそう話していたが、ベテルギウスは完全に無視をしているのか無言だった。 三人は十六夜を隠すように早歩きで通り過ぎようとしたら男の一人が遮るように三人の前に立ち、 「おいおい 挨拶も無しに行くのかよ」 「そういえば、お前等余所者を拾ったんだってな」 「もしかしてその後ろにいるガキがそうなのか?」 下品な嗤いをしながら四人を囲むように歩いてきた。 「お前等には関係ないだろ!」 プロキオンは十六夜を隠すようにごろつきの前に立ち、叫んだ。 「けっ、弱い奴ほど吠えるな」 暴言を吐くごろつきの胸ぐらをベテルギウスは掴み、 「あまりオレの仲間を侮辱するなよ? プロキオンもシリウスもオレの大事な仲間だ!」 そう言ってごろつきを突き飛ばした。 「やろっ!やりやがったな!」 突き飛ばされたごろつきは立ち上がり、ベテルギウスに掴み掛かろうとしたが、ベテルギウスはごろつきの方を見ていなかった。 「おいおい、俺を忘れてないか 俺も仲間だろ?」 ごろつきとベテルギウスをアルデバランが割り込みそのままの勢いでごろつきを殴った。 「やりやがったな! 野郎ども出てこい!」 ごろつきは辺りに潜ませていた仲間を呼び、武器を手にしていた。
/203ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加