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僕があいつを好き?そんなのあり得ない!
それじゃこの胸のドキドキとこの胸の苦しさとこの発汗とこの顔の赤さはいったいなんだって言うんだ?
あいつの笑顔を見ていきなりこの現象はやってきたんだぞ!
鯉、濃い、来い、請い、乞い、故意。恋……恋…………恋ぃぃぃぃぃ!?
違う。絶対違う!僕があいつなんかに恋するわけが……
「倉林!」
あいつ、倉田篤史が僕、倉林貴雪を呼ぶ。
がっちりとした体育会系な体つき。けれど運動部には入らず帰宅部を決め込んでいるらしい。
ってなんで僕が倉田の情報なんか知っているんだ……
「俺ら今日日直だから……」
僕は倉田の話をちゃんと最後まで聞かずに立ち上がった。
「日誌取りに行ってくる……」
とだけ告げる。
今僕の顔は赤くないか?おかしいことをしていないか?
背中に倉田の視線を感じながら僕は教室を後にした。後ろからは倉田とその友達が騒いでいる声が響いていた……
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