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「我を呼び起こしたのは、そこのボーヤか?」
俺は再び息を呑んだ。
これを正に絶句つうんだろうな。
声は……力強く澄んでいて綺麗だった。
一瞬、これが恋!?とかまさか発情!?とかとも思ったけど…たぶん、違うだろうな。
「おーい、答えんか」
でだ。この人を呼んだのは俺なのだろうか?
一応、俺が書いた魔法陣な訳だから……俺なのかな?
とりあえず答える事にした。
「たぶん…俺です」
「たぶんとな。
面白い事を言いよる。
気に入った!
一応、『契約』として召喚されたんじゃ、そちと契約しよう。
名は何と言う?」
話が勝手に進んでいく。
っと、それよりこの質問で俺は困った。
なぜなら───
「すみません、俺には名前がありません」
女性はへ?という顔をした。
ついでに可愛いな、とか思ったのは秘密だ。
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