召喚 ~The Summouns of Opening~

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「………うーむ。 名がないのでは、契約が出来ぬな……どうしたものか……………! おお!!良い手があったぞ。 我が名をやろう」 この言葉は突拍子な言葉だったけど、スゴく嬉しかった。 けど………─── 「それは無理だよ。 この国じゃ、人が人に名前を付けれるのは身内っていうか、家族だけだから」 そう、始めから名前なんて無理だったんだ。 俺には家族がいない。 名前を付けて貰う前に捨てられた。 だから…だから、俺は永遠に名無しだ。 墓標にさえ刻む名前がない。 誰からも自分という存在を呼んでもらえない。 俺はこの時までそう思っていた。 そうこの時までは── 「なら、家族になれば良いだけだろう? 我とそちが結婚なり、何なりして家族になれば、名を付けれるではないか。 という訳じゃ、一番簡単な結婚にしよう」 うん。 この発言には流石の俺も驚きを隠せなかったな。 どう、流石なのかわからないけどさ。
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