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「っと、その前にじゃ。
契約には少量…本っ当に少し血を使うのじゃ。
痛いの我慢しておくれや?」
そう言えば一言も契約するなんて言ってないのに、いつの間にか契約する事になってるな。
名前も貰った訳だし、契約しないなんて今更だよ……な?
ティアは俺の右手を手に取った。
体温が仄かに気持ち良かった。
「では行くぞや?
『我契約せし。
我と彼の者、力と運命を共有せん。
汝、神は我に祝福を…。
汝、神は彼の者に力と我を…。
今、ここに血と血で神に契約せん。
我は彼の者に全てを捧げよう。
彼の者は己のに運命に己を捧げよ。』」
ティアは着物の袖から扇子(鉄扇?)取り出し、それを軽く振るうと俺の右手の人差し指から血が流れていた。
同じく自分の人差し指にも扇子を振るい、血を流す。
2つ血は合わさる様に魔法陣に滴り落ち、染み込んだ。
「『今、ここに"2つ"の契約成立せん!』」
ピカッと魔法がもう一度煌めいた。
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