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「ふむ。
『黒天』と『旋楓』を使こうたのか?
まあ、どうせ可愛いおなごが不良か何かに絡まれていたのを助けたのじゃろ?」
ティアは人型になるなり、プイッと顔を背ける。
機嫌を損ねたか……。
…にしても、勘が鋭い奴だ。
ついでに『黒天(コクテン)』がナイフで、『旋楓(センフウ)』が鉄扇だ。
「可愛いはともかく、認めるから…ほら、機嫌直して!」
俺はティアの両肩を掴み、向き直らせティアの目を見据える。
ティアはボンッと顔を紅潮させ、再び目を反らす。
………?
「………あ~、わかった。
わかったから、手を離せ」
ティアが顔を真っ赤にさせたまま言う。
機嫌が直ったのなら、特にティアと向き合う必要がないので、即座に手を離す。
そして、離したとたんにティアはイヤリングに戻る。
「ほ、ほれ!
クラス表へ行かぬか!
何組か、わからんではないか!」
………良くわからん奴だ。
明らかな虚勢だが、理由がわからないので、言うのを止めた。
………背く理由もないから…行くか!
俺は体育館入り口にあるクラス表へと歩を進めた。
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