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「師匠、一手ご教授願います。」菊エ門が竹刀を持って現れた。
「身体が鈍るか?菊エ門。」霧ノ介は、そう言うと竹刀を持って立ち上がった。
二人は、庭に出て竹刀を構え、打ち稽古を始めた。
それを眺めながら
「お武家さんは大変だねぇ、毎日毎日剣の修行ですか、忍には分からないねぇ五郎。」とバカにしたように、夜叉姫が五郎に向かって言った。
五郎は何も言わず、腕組みをして目を瞑っていた。
菊エ門は竹刀を構えたまま
「お主の様な忍に、剣客の心は分からぬわ。」と言った刹那、霧ノ介の竹刀が菊エ門の籠手に叩き込まれた。
「うっ!」菊エ門は竹刀をその場に落とし、方膝を着いた。
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