第1章:忌まわしき記憶~始まり~

15/30
前へ
/1351ページ
次へ
俺は視線を送る全ての人間の顔を見渡した。こいつらの目は、嘘をでっち上げた張本人、西村と同じ目をしていた。 喋らなくても何が言いたいのかは目を見れば分かるよ。 『泥棒』 『最低男』 そう、けなすんだろう? 誰一人として味方してくれる奴なんかいない。よく見れば、俺より暗く、いかにもイジメられそうな面をした奴までいる。 『……畜生、みんなしてなんなんだよ』 そう、心の中で呟いた。少しの間沈黙が続いたが、俺を囲っている中の一人が突然口を開いた。
/1351ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3952人が本棚に入れています
本棚に追加