氷結娘

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お昼寝をする、ぷかぷか浮かんだ、湖の上 寝心地悪くて、凍らせてしまった、綺麗な花まで   だけどそう、本当は、少しだけ、寂しくなる 背に伝う、冷たさと、この固さ、気付けなくて   光り反射する、氷に目が眩んで、大事なもの見失って、一人ぼっちになる きっと私らしく、生きていたいんだけど、滑って転んでしまわぬように、一歩ずつ前に進む       悪戯をする、君のあの笑顔、振り向かせたくて リアルなアクション、中々出来ずに、背中を合わせた   帰り道、手を触れて、歩幅合わせ、歩きたいけど 凍りつく、君の顔、見たくなくって、強がってる   気付かずにいた、投げかけたサインまで、ヒビも入らず冷たいまま、頑なな心 君の体温で溶けてしまえるように 受け止められるように、今日も、小さな体を揺らす、小さな両手で撫でる、凍らないように       ずっと私なりに、差し伸べているけれど、上手くやろうとすればするほど、人は傷ついてゆく   だけど、そんな謎々が、解けてしまえるように 冷たく静かな氷の上、微笑み合う夢を見る、滑って転ばないように、そっと受け止めてきっと、溶けてしまわないように、ギュッと目を閉じて
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